そもそもリンパとは?
さまざまな体の不調に関係しているリンパについて、そもそもどんなものなのか、そしてどんな役割を持っているのかなどの基礎知識を噛み砕いて説明します。
リンパマッサージの知識を身に着ける前に、まずは基本的なことを知っておきましょう。
リンパ液とリンパ管
そもそもリンパとは、一般的にリンパ液のことを指しています。リンパ液は、血管を通る血液のようにリンパ管という管を通って体中をめぐっています。
リンパ液は、血液の成分である血漿という液体(組織液)が毛細血管から染み出たものの一部がリンパ管に取り込まれたものです。このリンパ液は、特に皮膚や内臓などにくまなく行きわたっています。
リンパには赤血球が含まれていませんので無色あるいは薄い色で、白い血と呼ばれていた時代もありました。その中には、白血球の一種であるリンパ球が含まれています。
血液が心臓によって全身に送られるのとは異なり、リンパ液は呼吸や筋肉など体の動きによって循環します。
リンパの役割
リンパは体にとって非常に重要な役割を持っています。
- 細菌やウイルスからの感染症を防ぐ
- 老廃物を集めて排泄する
- 細菌や異物をろ過して排泄する
つまり、リンパは体の免疫機構を担っており、身体を異物や病気の原因となるものから防御して健康を維持するために働いています。
リンパ節
リンパ節は、リンパ液が流れている管が集まる部分で、「関所」という表現をされることが多い部位です。全身を流れるリンパ液は、細菌やウイルス、異物などから守るために働いています。リンパ液の中に取り込まれたこれらの異物は、流れに乗ってリンパ節にたどり着きそこでせき止められてフィルターにかけられ排除されます。リンパ節は2~3ミリ程度の小さな豆のような形をしていて、その数は全身に約600~800といわれます。特に、腋の下や頸部(首)、鎖骨部、鼠径部(太ももの付け根)にたくさん集まっています。
リンパが滞るとどうなるか
リンパ液の流れが悪くなると、さまざまな不調が起こります。
- 免疫力の低下
- むくみ
- 肩こり
- 疲れ
このような一般的なリンパの流れの停滞は、運動不足や冷え、ストレス、塩分の摂りすぎなどが原因といわれています。
ただ、がんの治療によりリンパの流れが著しく停滞すると、リンパ浮腫と呼ばれる病的なむくみなどの後遺症が起こることがあります。リンパ浮腫では、腕や脚などが大きくむくみ改善されることはないとされています。リンパマッサージなどで流れを促してあげることで楽になることから、医療機関では専門のリンパマッサージも行われています。
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