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セラピストの独立・開業

現在サロンで従業員として勤務しているセラピストの中には、サロンの方針やブランドイメージが自分に合わない、スキルやノウハウが給料に反映されないなど、働き方や収入面に不満を感じている方もいるはず。もっと自分らしく自由に働きたい、収入アップを目指したいという方には、独立・開業の検討をおすすめします。

このページでは、自分のサロンを持つのに憧れている、サロン経営に興味がある、自宅開業の計画を進めている方に向けて、独立・開業するために必要な手続きや下準備、メリット・デメリットなどを解説。また、サロン経営の参考になるように、失敗事例についても取り上げています。

セラピストが独立・開業するメリット

提供する施術やサービスを自由に決められる

サロンで働く場合、コンセプトやサービス内容が決まっていることがほとんどで、セラピスト個人の判断で施術やサービスを提供することは基本的にできません。独立・開業すれば提供するメニューやサービスを自由に決められ、オリジナリティのある独自メニューを取り入れることも可能です。サロンの独自性と顧客のニーズがマッチすれば、新規顧客の集客やリピーターの獲得にもつなげられます。

収入アップを目指せる

独立して自分のサロンを開業すれば、仕事を受けた分だけ収入につながるため、集客やサービス次第で収入を大きく伸ばすことが可能です。経営者という立場になるので、セラピストとしてサロンに勤務するよりも負担は大きくなりますが、業績が収入にしっかりと反映されるのは独立・開業の大きなメリットです。

セラピストとしてのスキルやノウハウを積んで指名も取れているものの、固定給なので給料に反映されないと不満を感じている場合は、独立・開業の検討をおすすめします。

ライフスタイルに合った働き方ができる

サロン勤務だと決められた営業時間やシフトで働くため、子育てや家事との両立が難しいとお悩みの方もいるでしょう。独立・開業すれば自分で営業時間を決められるので、子どもを保育園や幼稚園に預けている間だけ営業する、予約が入りやすい土日のみフルで働くなどの働き方ができます。

限られた営業時間で安定した収益を出すのは大変ですが、自分の状況やライフスタイルに合わせて無理なく働きたいという方におすすめです。

セラピストが独立・開業するデメリット

収入が不安定になる可能性が高い

独立・開業後は、自分で集客を行って顧客を獲得しなければいけません。リピート客がつくまでに時間がかかるため、事業が軌道に乗るまでは収入が不安定になる可能性が高いでしょう。また、個人サロンや小規模なサロンだと1日で対応できる人数がどうしても限られるので、大きな利益につながりにくいというデメリットがあります。

業務負担が増える

限られた営業時間内でセラピストとしての施術を行いながら、予約受付や帳簿の作成、確定申告などをすべて自分でこなす必要があるため、個人サロンの場合は業務負担が大きくなります。施術以外の業務に時間を取られることが増えるので、慣れるまではストレスに感じるかもしれません。

競合店に顧客を取られる可能性がある

小規模な個人サロンは比較的少ない予算で開業できることから、新規参入が多い業種です。そのため、競合店が多くて集客に苦労する可能性があります。競合店との顧客獲得競争を勝ち抜くには、差別化を図ることが大切です。開業前に周辺の競合店を調査し、ターゲット層が被らない事業計画や施術・サービスの導入などを検討する必要があります。

セラピストが独立・開業するために必要な準備

資格を取得する

独立・開業したばかりだと認知度や実績が少ないため、顧客獲得に苦労する可能性があります。顧客からの信頼を得る方法として、セラピストとしての専門性や技術を証明する資格取得がおすすめです。施術によっては資格が必要ないものもありますが、資格があるのとないのとではセラピストとしての信用度が変わってくるため、資格を取得しておいて損はありません。

また、資格を持っていることで専門性や技術をアピールでき、競合他社との差別化を図るのにも役立ちます。資格によっては取得に時間がかかるものもあるので、サロン勤務と並行してスクールに通うなどしながら、独立・開業までに知識や技術を磨いておきましょう。

サロンを開業する場所を決める

独立・開業するにあたり、どこでサロンを運営するのかを決める必要があります。サロンの開業場所は、主にテナント契約で店舗を借りて開業する、もしくは自宅の一部をサロンとして利用するの2つです。自宅サロンは初期費用を抑えられるほか、自宅で仕事できるので子育てや介護などと両立しやすいというメリットがあります。

店舗を借りて開業する場合、家賃は高くなりますが、駅近くや商業ビルのテナントなど利用者の多いエリアを選べば、自宅サロンよりも集客を有利に進めやすいのが魅力です。予算やサロンのコンセプトなどを考慮しながら、自分に合った開業場所を検討しましょう。

資金調達と開業の手続きを進める

店舗を借りたり、サロンの運営に必要な機器や設備などを揃えたりするのに、多くの開業資金が必要になる可能性があります。自己資金だけでは開業資金をまかなえない場合もあるため、どのように資金を調達するのかを検討し、準備を進めていきましょう。

また、資金調達と一緒に、開業に必要な手続きの準備も進めていきます。個人事業主として従業員を雇わずに開業する場合は、事業開始から1カ月以内に開業届を税務署へ提出します。法人化もしくは個人事業主で従業員を雇う場合は、開業手続きのほかに、各種保険の加入手続き、従業員名簿の作成・提出、法人設立届出書の提出などの手続きが必要です。

経営について勉強する

独立・開業を成功させるには、経営についての知識も必要です。帳簿の付け方や経費処理の方法、確定申告のやり方はもちろん、経営戦略やマーケティングについても勉強しておきましょう。経営戦略やマーケティングに関する知識を身につけておくことで、効率の良い集客や利益率を最大化する方法などを検討する際に役立ちます。

必要に応じて人材を確保する

サロンの規模や営業時間などによっては1人で運営するのが難しく、さらに業務負担も大きくなるので、人手が必要になる場合があります。スタッフを雇用するのであれば、開業までにスタッフの確保や保険加入などの手続きを進めていきましょう。従業員として直接雇用するのではなく、フリーのセラピストと業務委託契約を結ぶという方法もあります。

セラピストが独立・開業したあとにやるべきこと

開業届の提出

事業の開始から1カ月以内に、納税地の所轄税務署に開業届を提出します。開業届の提出は税務署に直接持参、もしくは郵送でも手続き可能です。開業届を提出すると、青色申告の申請ができるようになります。

青色申告とは最大65万円の特別控除を受けられる制度で、確定申告や翌年の国民健康保険料において節税することが可能です。青色申告の申請をする場合は、その年の3月31日までに所轄税務署長へ青色申告承認申請書の提出が必要です。事業開始から2カ月以内に提出しましょう。

開業後は慣れない経営にバタバタとしてしまう可能性があるため、開業前から手続きの準備を進めておくことをおすすめします。

宣伝・集客を行う

自営業では安定した収入を確保するためにマーケティングが重要となるので、効果的な宣伝・集客を行うためにも、まずはサロンの方向性やターゲット層を明確にしましょう。サロンの方向性やターゲット層が固まれば、どのような宣伝を行えば効率よく集客できるかを検討するのに役立ちます。

宣伝方法としては、ホームページやブログ、SNSを活用して積極的に情報発信するのも認知度を高めるのに有効です。また、新規顧客を獲得するために、開店記念イベントや定期的なプロモーションなどを実施するのも良いでしょう。地域のイベントなどに積極的に参加するのも、コミュニティの輪を広げる機会となり、集客につながるチャンスです。

モニターを募集して施術やサービス内容を見直す

安定した収入を確保するには、リピーターを増やすことが重要です。リピーターを増やすには技術を磨き続ける必要があり、さらにターゲット層のニーズに応えられるように施術内容やサービスの見直し・改善も求められます。

スキルアップや施術・サービスを見直す機会として、モニターを募集するのがおすすめです。無料もしくは低価格で施術を実際に受けてくれるモニターを募集し、施術やサービスの感想・意見をフィードバックしてもらいましょう。モニターからのリアルな声を参考に施術やサービス内容を見直すことで、顧客満足度が向上し、リピーターになってもらえる可能性が高くなります。

確定申告を行う

その年の所得に対して納付すべき所得税額がある個人事業主は、確定申告を行う必要があります。事業が赤字、もしくは所得金額が所得控除額の合計額を下回る場合は、確定申告を行う必要はありません。ただし、サロン経営者のように事業所得がある場合は、帳簿の作成と保存が義務付けられています。

帳簿には主要簿と補助簿の2つがあり、青色申告で確定申告するには両方の帳簿が必要です。簡単に帳簿をつけられる会計ソフトなどを利用しながら、確定申告に向けて日々の取引を記帳するようにしましょう。

セラピストが独立するときの開業スタイル

セラピストが独立する際の開業スタイルは、自宅の一部を改装してサロンを開業する、もしくは店舗を借りて開業するのどちらかになります。どちらか一方が正しい選択というわけではなく、独立・開業する目的やサロンのコンセプトなどによって、どちらを選んだほうが良いのかが変わってきます。

たとえば家庭と仕事の両立を重視したいのであれば、自宅にいながらセラピストとして働けるスタイルが適しているでしょう。内装にとことんこだわって非日常感を演出したい、集客に有利な立地で開業したい場合は、店舗を借りての開業がおすすめです。また、店舗を借りての開業はサロンとしてのブランド力を打ち出しやすいというメリットもあり、将来的に事業を拡大したいと考えている方に向いています。

セラピストが独立・開業して失敗する事例

単価の低いサービスが多い

独立・開業を成功させるには、繰り返し利用してくれる常連客やファンを確保することが大切です。開業したばかりの段階では顧客層を拡大することがまず求められるため、気軽に試してもらえるように手頃な価格でサービスを提供するのは間違った方法ではありません。

ただし、単価の低いサービスばかりだと生活できるだけの収益を確保するのが難しく、かなり多くの顧客を獲得していないと経営が行き詰まってしまう可能性があります。安定した収益を上げるには、高価格帯のサービスもメニューに取り入れることをおすすめします。

業務量が自分の限界を超えている

独立・開業すると自分でこなさなければならない業務量がかなり多くなってしまうため、ストレスによって心身に不調をきたす可能性があります。その結果、せっかく開業したサロンを畳むことにもなりかねません。持続可能なサロン経営を目指すには、自身の健康にも配慮することが大切です。

自分に合ったストレス管理法を見つけたり、業務量を分散させるためにスタッフを雇ったりしながら、セラピストとして長く働ける環境を整えましょう。

集客やマーケティングがおろそかになっている

事業がうまくいかない原因の1つとして、目の前の業務や経営にいっぱいいっぱいになっており、集客やマーケティングにリソースが割けていないことが挙げられます。施術技術の高いセラピストだとしても、集客できなければサロン経営は続けられません。どうすればサロンを認知してもらえるのか、集客につなげるにはどのような施策を打てばいいのかなどを考えながら、新規顧客の獲得やリピーターの増加に取り組む必要があります。

スキルアップや情報収集ができていない

開業前は資格取得や勉強に励んでいたセラピストでも、独立・開業後は日々の業務に追われて、スキルアップのための時間を確保できないというケースが多く見られます。顧客満足度を高めてリピーターを確保するには、セラピスト向けのセミナーや勉強会などに積極的に参加したり、新しく資格取得を目指したりなど自己研さんに取り組むことが大切です。

また、最新の業界トレンドにもアンテナを張って、顧客のニーズに常に応えられる体制を整えておくことも、独立・開業を成功させるカギとなります。

まとめ

自宅の一室を改装して施術を行う自宅サロンであれば、店舗を借りるよりも少ない資金で開業できるため、開業のハードルはそれほど高くありません。ただし、自宅で開業するにしても、店舗を借りるにしても、経営を軌道に乗せるには、資格を取得したり経営の勉強をしたりなどの下準備がかなり重要になります。

また、独立・開業後も自己研さんに励み、顧客満足度の高いサービスの提供に努めることが大切です。相応の労力を必要としますが、それでも独立・開業はセラピストとして培ったスキルやノウハウを最大限に生かしながら、自分らしく働けるのが魅力です。

独立・開業を成功させるためにも、失敗事例などを参考にしながら、独立・開業に向けての下準備を進めていきましょう。