セラピストの手荒れ対策
セラピストにとって「手」は、技術を提供し、お客様に癒しを届けるための重要な資本です。しかし、お客様に直接触れるその手は、日々の業務によって手荒れしやすい環境にあります。
手荒れに悩んでいると、自信を持ってお客様に触れることができなかったり、仕事に集中できなかったりと、つらい気持ちを抱えてしまうことも多いのではないでしょうか。
このページでは、手荒れの原因から、毎日続けられる優しいケア方法、つらい時の集中ケアまで紹介します。
なぜ?セラピストの手が荒れやすい主な原因
セラピストの手荒れは、単なる乾燥だけが原因ではありません。職業上の習慣が、肌のバリア機能を低下させ、刺激を受けやすい状態を作り出しています。ここでは、主な3つの原因について解説します。
頻繁な手洗い・消毒による乾燥
お客様の安全と安心を守るための、丁寧な手洗いとアルコール消毒。これはプロとして欠かせない大切な習慣です。ですが、そのたびに、お肌のうるおいを守っている大切な皮脂膜まで一緒に洗い流されてしまいます。
お肌のバリア機能が弱まると、水分がどんどん逃げてしまい、乾燥が進んでしまうのです。特にアルコールは、お肌の水分を奪いやすい性質があるので、清潔を保つための行為が、かえって乾燥を招くという状況を生み出してしまいます。
施術による摩擦の積み重ね
お客様の肌や、ふわふわのタオルに触れる時間。一つひとつは優しいタッチでも、長い時間、毎日繰り返されることで、少しずつ手への刺激として蓄積していきます。
特に、心を込めて圧をかける親指の腹や指先などは、お肌が「守らなきゃ!」と反応して、角質が少し硬くなってしまうことも。こうした日々の頑張りが、お肌のゴワつきや、細かなダメージに繋がっているのかもしれません。
オイルや化粧品による刺激
施術に使うオイルやローションは、お客様のために厳選した素敵なアイテム。ですが、もし新しい製品に変えたタイミングで手荒れが気になり始めたら、その製品に含まれる特定の成分が、あなたの肌には合っていないサインかもしれません。
特定の香料、防腐剤、界面活性剤などが肌に合わない場合、アレルギー反応や接触皮膚炎(かぶれ)を引き起こす可能性があります。また、アレルギー体質でなくても、肌のバリア機能が低下している状態では、普段は問題のない成分に対しても刺激を感じやすくなるため注意が必要です。
【明日からできる】手荒れを防ぐためのケア方法
手荒れを予防するためには、毎日の生活の中で、ほんの少しだけ手をいたわる習慣を取り入れることが大切です。ここでは、すぐに始められる優しいケアをご紹介します。
手洗いは「水またはぬるま湯」で
寒い季節はつい熱いお湯で手を洗いたくなりますが、熱いお湯はうるおいを守る皮脂を必要以上に奪ってしまいます。お肌のためを思うなら、少しひんやり感じるくらいの、お水かぬるま湯で洗うのがおすすめです。この少しの工夫が、乾燥から手を守る大きな一歩になります。
刺激の少ない洗浄料を選ぶ
手を洗う際に使用するハンドソープは、洗浄力が穏やかなものを選ぶことが大切です。肌の潤いを守りながら汚れを落とす製品や、セラミド・ヒアルロン酸といった保湿成分が入っているものなら、洗った後のつっぱり感を和らげてくれます。
洗浄力の強い製品は、必要な皮脂まで落としすぎてしまうので、バリア機能の低下を招きやすくなります。成分表示を確認し、できるだけ肌への負担が少ないものを選びましょう。
手洗い後は「即保湿」を習慣にする
手を洗った後は、お肌がもっとも乾燥しやすいタイミング。清潔なタオルでポンポンと優しく水分を拭き取ったら、すぐにハンドクリームを塗ることを習慣にしてみましょう。ベタつきの少ないクリームを施術スペースやロッカーに置いておけば、お仕事の合間にもサッと塗ることができます。この「すぐ保湿」が、うるおいを守るための大切なポイントです。
水仕事では保護手袋でガード
サロンのお掃除や、おうちでの食器洗いなど、施術以外の水仕事のときは、保護手袋を使いましょう。洗剤は油汚れを落とす力が強い分、手のうるおいも奪ってしまいがち。洗剤に含まれる界面活性剤は、強力に油分を分解するため、素手で触れると深刻な手荒れの原因となります。
ゴム素材にアレルギーがある場合は、ニトリル製やビニール製の手袋を選ぶなど、自身の肌に合った素材の手袋を使用し、洗剤や薬品の刺激から手を守ることが大切です。
手荒れしてしまった時の集中リペアケア
すでに痛みやひび割れが生じてしまった手荒れには、いつものケアにプラスして、お肌の回復を助けるスペシャルケアを取り入れてみましょう。
夜間集中ケア「ナイト手袋」
睡眠中は、日中のように手を使わないため、保湿成分をじっくりと肌に浸透させる良い機会です。この時間を利用して、頑張った手をじっくり癒してあげましょう。
- お顔のお手入れと同じように、化粧水を手全体に優しくなじませ、水分をたっぷり補給します。
- ハンドクリームやワセリンを、指の一本一本までマッサージするように、たっぷりと塗り込みます。
- 綿やシルクといった通気性の良い素材の手袋を着用して休みます。
仕事中の応急処置
施術中に、ぱっくり割れた指先が痛むのは本当につらいですよね。そんな時は、無理せずきちんと保護してあげましょう。ひび・あかぎれ用の軟膏などを塗った上から、防水タイプの絆創膏でカバーします。これだけで、外部の刺激から患部を守ることができ、痛みも和らぎます。
衛生的な状態を保ち、お客様に安心して施術を受けてもらうためにも役立ちます。無理に我慢せず、適切に患部を保護しながら業務にあたることが重要です。
セルフケアで改善しない場合は専門医への相談を
日々のセルフケアを丁寧に行っていても、手荒れの症状が改善しない、あるいは悪化する場合は、皮膚科の先生に相談してみるのも大切な選択肢です。特に、強いかゆみ、水ぶくれ、じゅくじゅくとした浸出液が出る、赤みや腫れが引かないといった症状が見られる場合は、単なる手荒れではなく、アレルギー性接触皮膚炎や手湿疹など、専門的な治療が必要な皮膚疾患の可能性があります。
受診の際には、自分がセラピストであること、日常的に使用しているオイルや消毒液の種類、手洗いの頻度などを具体的に伝えることで、医師は原因を特定しやすくなり、より的確な診断と治療法の提案に繋がります。
セラピストの手は、たくさんのお客様に癒しと笑顔を届ける大切な手です。だからこそ、誰よりもまず、自分自身がその手を大切に、労わってあげましょう。


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