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看護師がリンパマッサージを学ぶには

看護師として働くなかで、がんの治療後にリンパ浮腫が生じた患者さんと接し、リンパマッサージに関心をもつ方もいるでしょう。

ひとくちにリンパマッサージといっても、リンパ浮腫の治療に関わる医療的な手技と、リラクゼーションを目的としたケアでは、学ぶ内容や資格が異なります。

この記事では、看護師がリンパマッサージを学ぶ方法を目的別に紹介します。医療系の資格・研修の受講条件や費用、取得後の働き方に加え、リラクゼーション系の民間資格についても解説します。

目的によって学び方が変わる

リンパマッサージを学ぶときは、まず何に活かしたいのかを決めましょう。目的によって、選ぶ資格や講座が変わります。

  • リンパ浮腫の患者さんのケアに関わりたい:リンパ浮腫療法士や医療リンパドレナージセラピストなどの資格、医療従事者向け研修
  • リンパやむくみに関する知識を深めたい:医療従事者向けの基礎研修や、受講資格を問わない民間講座
  • サロンでの仕事や副業に活かしたい:リラクゼーション系の民間資格やスクール

民間資格を取得しても、看護師免許に加えて新たな医療行為の権限が得られるわけではありません。医療現場で行うケアは、法令や勤務先の方針、患者さんの状態を踏まえて判断する必要があります。

医療として学ぶなら

リンパ浮腫の患者さんのケアに関わりたい場合は、医療従事者向けの研修や資格を検討しましょう。看護師が目指せる主なものとして、次の3つがあります。

  • リンパ浮腫療法士:日本リンパ浮腫治療学会が認定する資格
  • 医療リンパドレナージセラピスト:日本医療リンパドレナージ協会の養成講習会で取得を目指す資格
  • リンパ浮腫研修 E-LEARN:一般財団法人ライフ・プランニング・センター(LPC)が実施する研修

リンパ浮腫療法士は、対象となる医療資格を取得してから2年以上の実務経験があり、所定の研修を修了したうえで、リンパ浮腫外来などで5症例以上を経験すると、認定試験の受験資格を満たせます。研修には、座学33時間以上と実技67時間以上が必要です。

医療リンパドレナージセラピストは、日本医療リンパドレナージ協会の養成講習会を受講し、修了試験に合格すると取得できる資格です。2026年度の講習会は初級・中級・修了試験の合計24日間で、初級の理論から修了試験までは約3~4か月が目安です。講習会の修了はリンパ浮腫療法士の受験資格要件にもつながりますが、実務経験や症例数など、ほかの要件も満たす必要があります。

リンパ浮腫研修 E-LEARNは、リンパ浮腫の予防や治療に関する基礎知識を学ぶ研修です。座学33時間以上を学べるカリキュラムで、オンデマンド配信とライブ配信を組み合わせて受講します。2026年度の対象職種には、医師、正看護師、理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ指圧師が含まれます。保険医療機関に勤務する人や医師が優先されます。

日本医療リンパドレナージ協会とLPCの募集要項では、対象となる看護師を「正看護師」としています。准看護師の方は、受講できるかどうかを申込前に各団体へ確認してください。

参考:日本リンパ浮腫治療学会「リンパ浮腫療法士の受験資格」 参考:日本医療リンパドレナージ協会「医療リンパドレナージセラピスト養成講習会」 参考:一般財団法人ライフ・プランニング・センター「リンパ浮腫研修 E-LEARN」

取得後の仕事と診療報酬

リンパ浮腫療法士は、スキンケア、用手的リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫下での運動療法などを組み合わせた複合的治療に関わります。弾性着衣の使い方やセルフケアの指導も、患者さんを支えるうえで重要な役割です。資格は5年ごとの更新制です。

リンパ浮腫療法士の認定要件を満たすには、リンパ浮腫外来や、それに準ずる医療機関で症例を経験する必要があります。勤務先で症例を担当できない場合は、リンパ浮腫の診療や治療を行う施設で経験を積めるか、上司や関係部署に相談してみましょう。

医療従事者向けの研修は、診療報酬の「リンパ浮腫複合的治療料」にも関係します。ただし、研修を修了しただけで勤務先が診療報酬を算定できるわけではありません。医療機関側にも施設基準があり、専任の医師や看護師、理学療法士、作業療法士などの配置、研修や症例経験に関する要件を満たす必要があります。

2026年度の診療報酬改定では、リンパ浮腫複合的治療料の点数や施設基準が見直されています。勤務先で算定を目指す場合は、研修を申し込む前に、施設基準に合う研修かどうかを勤務先と主催団体に確認しましょう。最新の要件は、厚生労働省の診療報酬改定資料で確認できます。

参考:日本リンパ浮腫治療学会「リンパ浮腫療法士とは」 参考:令和8年度診療報酬改定「H007-4 リンパ浮腫複合的治療料」 参考:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」

費用と期間の目安

医療系の資格や研修にかかる費用と期間は、次のとおりです。金額は2026年度の案内に基づく目安で、募集時期や受講する団体によって変わる場合があります。

  • リンパ浮腫療法士:受験料16,500円、認定登録料22,000円のほか、研修費や学会の年会費が必要。研修費は受講する団体によって異なる
  • 医療リンパドレナージセラピスト:2026年度の受講料は一般572,000円(税込)、学生462,000円(税込)。講習期間は約3~4か月が目安
  • リンパ浮腫研修 E-LEARN:2026年度の受講料は51,700円(税込)。座学中心の研修で、実技は別途学ぶ必要がある

費用の大部分を占めるのは、研修や養成講習会の受講料です。交通費や宿泊費が必要になる場合もあります。勤務先に研修費の補助制度や受講のための休暇制度がないか、事前に確認しておくとよいでしょう。

医療系の研修を始めるときの順番

医療としてリンパケアを学ぶなら、申込前に勤務先の環境と資格要件を確認しておくと、取得後の進路も考えやすくなります。

  1. 勤務先にリンパ浮腫外来や関連する診療体制があるかを確認する
  2. 目指す資格・研修の募集要項を読み、対象職種や実務経験などの条件を確認する
  3. 研修日程と費用を比較し、勤務シフトや必要な休暇を調整する
  4. 研修を受講し、必要に応じて症例経験を積んで認定試験を目指す

リンパ浮腫療法士を目指す場合は、研修を修了するだけでなく、その後に5症例以上を経験する必要があります。勤務先で症例を担当できるか、研修を受ける前に確認しておきましょう。一方、まずはリンパ浮腫の知識や手技を学びたい場合は、医療リンパドレナージセラピストの養成講習会やリンパ浮腫研修を受ける方法もあります。

リラクゼーションとして学ぶなら

医療ではなく、リラクゼーションを目的としたリンパケアを学びたい場合は、受講資格を問わない民間の講座や資格も選択肢になります。

民間講座で学ぶのは、主にリラクゼーションやセルフケアに関する知識・技術です。リンパ浮腫の治療を行うための資格や、医療機関で診療報酬を算定するための研修とは異なるので注意してください。

リンパマッサージスクールでは、リンパの仕組みから手技まで体系的に学べます。スクールを選ぶ際は、費用だけでなく、実技の時間、通学とオンラインのどちらに対応しているか、卒業後のサポート体制なども比較しましょう。

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